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Galaxy S10/Note10に「Lite」モデルを追加発表したサムスンの狙いを探る:CES 2020 - Engadget 日本版

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ラスベガスで開催されたCES2020にてサムスンは新製品「Galaxy S10 Lite」と「Galaxy Note10 Lite」の2機種を展示しました。来月2月にはサンフランシスコで2020年のフラッグシップモデルとなる「Galaxy S20」(仮称)が発表される予定ですが、それを目前に控えてに新製品をリリースするのは異例のことです。

Galaxy S10 Lite、Galaxy Note10 Liteはいずれも「Lite」の名前はつきますが、チップセットはそれぞれハイエンド向けのSnapdragon 855、Exynos 8210を搭載しており、スペックは上位モデルに相当します。一方ディスプレイはサムスン自慢の左右を曲げたエッジディスプレイではなく、フラットな形状を採用。解像度は2400x1080ピクセルで、Galaxy S10/S10+/S10 5GやGalaxy Note10+の3040x1440ピクセルより落とされています。すなわちこの2つのLiteモデルは、CPUではなくディスプレイでコストを下げたモデルになっているわけです。

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▲Galaxy S10 Lite(左)とGalaxy Note10 Lite

どちらのモデルもフロントカメラはディスプレイ上部中央に1つのパンチホール型で、Galaxy Note10/Note10+と同じデザイン。ディスプレイサイズは両者ともに6.7インチですが、フレーム形状が異なるため外観は同一ではありません。Galaxy S10 Liteのほうが若干角ばったデザイン、Galaxy Note10 Liteのほうが若干丸みのあるデザインと感じられます。また、本体下部はGalaxy Note10 Liteのほうだけ3.5ミリヘッドフォンジャックを備えます(加えてスタイラスペン「Sペン」を収納)。なお、Galaxy S10 Liteは本体上部にもヘッドフォンジャックはありません。

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▲Galaxy S10 Lite(左)とGalaxy Note10 Lite

一方、カメラは前モデルと大きく様変わりしています。Galaxy S10シリーズは本体背面に横にカメラを並べ、Galaxy Note10シリーズは左上に縦に並べていました。しかしGalaxy S10 Lite、Galaxy Note10 Liteは長方形の台の上に配置した3つのカメラを背面左上に配置。さらに構成はGalaxy S10 Liteがは4800万画素(ワイド)+1200万画素(ウルトラワイド)+500万画素(マクロ)、Galaxy Note10 Liteが1200万画素x3つ(ワイド、2倍光学ズーム、ウルトラワイド)と全く異なるレンズを載せています。どちらも同じ時期に出てきた製品でありながら、カメラも変えることで全く異なる製品に仕上げているわけです。

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▲Galaxy S10 Lite(左)とGalaxy Note10 Lite

さて今回出てきた2つの「Lite」モデル、これはサムスンのスマートフォンラインナップが2020年から大きく変わることを示唆しています。すなわち「Fold」「S」「Note」「A」「その他」という、5つのラインを別物として展開していくという戦略です。

従来のサムスンは、フラッグシップの「S」シリーズがあり、それを補佐するようにSペンをつけた「Note」を秋に投入。そしてこの2つのフラッグシップの下に、「A」シリーズなどが存在していました。

ところが2019年からは、「A」シリーズだけでハイエンドからエントリーモデルまで10機種以上を展開。Galaxy Aシリーズの中からだけでも自分の好みに合うモデルを選ぶことができます。

たとえば、Aシリーズの最上位モデルのGalaxy A90 5Gはその名の通り、5G対応かつSnapdragon 855を採用。ディスプレイは6.7インチ2400x1080ピクセルと、Galaxy S10やGalaxy Note10+より落とされていますが、フロントカメラは高画質というモデルです。ちなみに2020年モデルとしては、2019年12月に「Galaxy A51」「Galaxy A71」が発表され、CES2020のサムスンブースにも展示がありました。

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このようにGaoaxy Aシリーズは「Galaxy S、Noteの下位モデル」という位置づけではなく、切り離された別のラインのモデルとして着々と製品を増やしています。そうなるとフラッグシップであるS、Noteの製品ラインナップが数機種ずつしかなく、弱さが感じられます。ちなみにGalaxy Noteについては、2018年までは年間1モデルしか出ていませんでした(Galaxy Note3、Note4の時は派生モデルあり)。Galaxy S10こそ2019年は「e」モデルを加えて4機種展開となっていますが、Galaxy Note10は2機種のみです。

今回登場した2つのLiteモデルは、Galaxy S、Galaxy Noteを「フラッグシップモデルを有する、Galaxyシリーズの上位ブランド」という位置づけに変えるためのものと考えられます。それによりS、Note、Aという3つの柱それぞれを個別に競争させ、魅力ある製品展開を行うことができるわけです。これはファーウェイ戦略に似ています。

ファーウェイのライカカメラフォン「P」シリーズ、ハイスペックモデル「Mate」シリーズには、性能を引き下げた「lite」モデルがあります。また最近は「nova」にもliteが登場し、それぞれのラインが独立して上下に製品展開を行っています。その結果、価格の安い下位モデルであっても上位モデルのブランドイメージを受け、他社の同等価格品を選ぼうとする消費者もあえてファーウェイのliteモデルを選ぶ、という効果をもたらしています。

サムスンもLiteモデルの投入で、ミッド・ハイレンジモデルを拡充することでスマートフォン全体の販売数を引き上げる効果が期待されます。ただしLiteモデルの価格は600-650ユーロ。決して格安なわけではなく、その点はファーウェイのliteモデルの展開とは異なります。しかしサムスンにはファーウェイにはないAシリーズがあるため、より低い価格のモデルはそちらでカバーできるわけです。

2020年のスマートフォン市場は先進国では5Gへの買い換え、新興国では引き続きフィーチャーフォンからの乗り換え需要や旧モデルからの買い替え需要が旺盛です。スマートフォン世界シェア1位を維持するためにも、サムスンは製品数を増やし多様化する消費者ニーズに応えることが必要なのです。


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