29日に放送された大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合・毎週日曜20時~ほか)第11回で向井理ふんする第13代将軍・足利義輝が涙ながらに明智光秀(長谷川博己)と対話する場面があり、向井の哀愁漂う演技に絶賛の声が相次いでいる。(※一部ネタバレあり。第11回の詳細に触れています)
今川義元(片岡愛之助)の軍が尾張に攻め入り、織田信秀(高橋克典)らが窮地に陥った第十一回「将軍の涙」。信秀は美濃の斎藤道三(本木雅弘)に援軍を要請するが、道三の長男・高政(伊藤英明)や家臣たちは、独断で織田と同盟を結んだ道三に冷ややかな反応。困った道三は光秀に「兵は送れない」旨を織田側に伝えるよう指令。光秀がいわば人質になった帰蝶(川口春奈)の身を案じながら、憂鬱な面持ちで織田信長(染谷将太)に伝言を伝えると、信長はかつて京の将軍家のとりなしで美濃の内紛が収まった話を思い出す。
将軍・義輝が登場したのは、光秀が藁をもつかむ思いで今川と織田の仲立ちを懇願するシーン。実のところ、義輝は細川家の内紛に巻き込まれ心身共に消耗していたが、光秀を手厚く歓迎。光秀と会ったのはこれが3回目であること、かつて光秀のある言葉に救われたことを打ち明けた。とりわけ、義輝が雪の降る庭を眺めながら「麒麟が来る道は遠い」と光秀に漏らすシーンは多くの視聴者の琴線に触れたようで、放送後「本当に美しい」「涙が止まらない」「感動した」「グッときた」「切ない」など感想が寄せられた。
義輝を演じた向井は、「麒麟が来る道は遠いのう」の言葉に込めた思いに「義輝は和睦を命じたり争い事を止めようとしたり、平和を求めていたと思います。将軍としての矜持も持っていたので、自分の代で平和が実現せず、京が混乱の最中になることの不甲斐なさを感じたのではないでしょうか」とコメント。
放送後、ドラマの公式Twitterでは義輝が涙を流した理由について「『麒麟が来る道は遠い』という義輝の言葉は、光秀がいたからこそポロリと出たのだと思います。このシーンで大切にしたのは“哀愁”であり、将軍でありながら世の争いを止められない悔しさ。“長谷川光秀さん”ならではの実直さが義輝の心を開かせたのだと思います」と長谷川博己の演技あってのシーンであることを強調していた。
次回、「十兵衛の嫁」では自身の死期を悟った信秀と、信長らとの今後についての会議、光秀と熙子(ひろこ)の祝言などが描かれる。(編集部・石井百合子)
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March 30, 2020 at 04:30PM
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