第2世代iPhone SEの大きな特徴は、言うまでもなく、その価格の安さだ。64GBモデルは44,800円(税抜)で、税込みでは49,280円と、5万円を切る。
たとえばカメラ性能など、実際に使ってみないとわからない点も多く、それらは今後レビュー記事をお届けする予定だが、今回は価格対性能比を考察しながら、同じiPhone同士でのコスパ比較もまじえ、本機を買おうか迷っている方への参考情報をお伝えしていこう。
まず、第2世代iPhone SEとはどういう製品なのか、というところから始めたい。「iPhone 8の中身が最新になった」と語られることがあるようだが、かなり正鵠を得た表現だと思う。
第2世代iPhone SEの本体サイズは幅67.3mm、高さ138.4mm、厚さ7.3mm。質量は148g。サイズと質量は、iPhone 8とまったく同じだ。デザインもほぼ同じとなり、画面サイズは4.7インチで、ホームボタンがあることも共通している。
さらにディスプレイの解像度が1,334×750ピクセルであること、コントラスト比が1,400対1であることも同じ。色域がP3、最大輝度625nitというスペックも同一だ。
ほかにも、機能名やスペック上は同じところは多い。ホームボタンを使った指紋認証「Touch ID」の搭載、IP67等級の防水・防塵性能、12メガピクセルのメインカメラ、最高4K/60fpsの動画撮影、Suica対応、最大13時間のビデオ再生、Qiワイヤレス充電、18Wアダプターでの高速充電などは、いずれも同等となる。イヤホン端子がないことも残念ながら同じだ。
では、何が変わったのか。最も大きな進化は、プロセッサーのスピードだ。第2世代「iPhone SE」は、プロセッサーに「A13 Bionic」を搭載している。これはiPhoneのフラグシップモデル、iPhone 11 Proに搭載されたものと同じだ。iPhone 8の「A11 Bionic」と比べ、CPU性能は最大1.4倍、GPU性能は最大2倍とアップルは主張している。
より速いプロセッサーであれば、重めのアプリもサクサク動いて快適だ。たとえば記者は、iPhoneのSafariでPC版Google Analyticsをよくチェックするのだが、以前持っていたiPhone Xではすごく動作がモッサリしていた。これをiPhone 11 Pro Maxに換えたら、PC版とほぼ同じ感覚で表示されることに驚いた。iPhone 8と第2世代iPhone SEとではプロセッサーの世代がさらに開いているため、比較すると、体感上の差がより顕著に現れるはずだ。
そのほかメモリーについても、iPhone SEは3GBで、iPhone 8より大きいという情報があるが、これについては今後の検証を待ちたい。
また第2世代iPhone SEは、通信接続系の仕様も大きく進化している。Wi-Fiは、iPhone 8が802.11ac対応だったのに対して、第2世代iPhone SEは802.11ax(Wi‑Fi 6)対応を果たした。また、ギガビットLTEに対応したのも第2世代iPhone SEの特徴となる。
さらにiPhone SEは、デュアルSIMであることも特徴で、これを歓迎している方も多いようだ。nano-SIMとeSIMを両方使うことができる。
もともと完成度が高く、人気があったiPhone 8とほぼ同じ外観に、フラグシップ機と同じプロセッサーを備え、通信接続機能の充実も果たした第2世代iPhone。Face IDもどんどん進化しているとはいえ、指紋認証の方が好き、という方は依然として多い。また新型コロナの影響でマスクをする機会が増えていいる今、Touch IDの搭載はむしろ追い風となるはずだ。
■iPhone 11と比べたらどうなのか?
それでは次に、第2世代iPhone SEの上位機にあたる「iPhone 11」と比較してみよう。iPhone 8は第2世代iPhone SEの発表と同時に、Appleオンラインストアから姿を消したため、実際にはiPhone 11とどちらを買うかを検討する方が多いだろう。
まず、第2世代iPhoneとiPhone 11の価格差を見てみる。最も安価な64GBモデルで比べると、第2世代iPhoneは前述の通り49,280円(税込)、iPhone 11は82,280円(税込み)。その差は33,000円と、決して小さくない。
そして、プロセッサーは同じA13 Bionic。処理速度については、第2世代iPhone SEとiPhone 11は同等と考えられる。
もちろんiPhone 11の方がスペック的に上の部分も多い。そのうち大きな要素はディスプレイのサイズとカメラだと考える。
iPhone 11のディスプレイはは6.1インチのIPS液晶。第2世代iPhone SEと比べてかなり大きい。一方でコントラスト比、色域、最大輝度は、少なくともスペック上は変わらない。
ノッチはあるものの、ほぼベゼルレスという点もiPhone 8との大きな違い。当然ながらホームボタンはなく、Face IDの顔認証機能を備える。画面サイズが違うので筐体のサイズも違っており、iPhone 11の方が大きく、重い。
カメラについては、超広角と広角の、2基のリアカメラを搭載しているのがiPhone 11の特徴だ。超広角があると、狭いスペースでも全員の顔を写せたりなど、かなり写真の表現力が高まる。
これは今後、実際に検証したいが、画角以外の性能、たとえば解像感や暗部での撮影性能なども、iPhone 11の方が上である可能性が高い。
本体のカラーバリエーションが豊富に揃っているのもiPhone 11の特徴だ。ブラックとホワイト、(PRODUCT)REDの3色は第2世代iPhone SEと同様だが、グリーン、イエロー、パープルはiPhone 11だけのカラーだ。
そのほか細かいところでは、iPhone 11の防水・防塵等級はIP68で、第2世代iPhone SEの上を行く。逆にバッテリー持続時間は、ビデオの連続再生時間が10時間と、少なくともスペック上は第2世代iPhone SEの方が長持ちする。
第2世代iPhone SEとiPhone 8、iPhone 11の比較を行ってきた。あくまで試用前の、スペックを比較しただけの結論とはなるが、画面サイズの大きさとデュアルカメラの2点に魅力を感じ、そこに3万円以上の追加投資を行えるのであればiPhone 11を選ぶべきだ。クラシカルなデザインと画面サイズが好みで、カメラもシングルカメラで構わないという方には、第2世代iPhone SEを選ぶことをオススメする。
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April 17, 2020 at 02:33PM
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