今年1月の東京オートサロン2020で初披露され、大きな話題となったダイハツの軽クロスオーバー「タフト」が、いよいよ本日6月10日より発売。
スズキの看板車種へと成長した「ハスラー」とガチンコとなる軽クロスオーバーだけに、両車の違いも気になるところ……。
ダイハツからの挑戦状として、戦略的ともいえる「タフト」の明らかになった価格や仕様、その特徴などの最新情報をまとめてお届けしよう。
文:大音安弘
写真:DAIHATSU、編集部
【画像ギャラリー】全20枚超の画像で大解剖!! 新型タフト 写真で見るタフな内外装
新世代車第3弾! 新型タフトは頼れる小さな相棒
新型軽クロスオーバー「タフト」は、2019年より投入されるダイハツの新たなクルマ作り「DNGA」の第3弾となるモデルだ。
開発コンセプトは、“Tough&Almighty Fun Tool”。簡単にいえば、幅広く使い倒せるタフな相棒を狙っている。それだけに使い倒したくなる、SUV風味たっぷりのタフなデザインを採用する。
ダイハツの軽クロスオーバーといえば、1999年発売の「ネイキッド」を思い出すが、それよりもワイルド調。よりシンプルな直線スタイルとブラック化されたフェンダーモールがパンチを利かせる。
しかし、ただの見てくれだけのものでなく、190mmを確保した最低地上高や165/65R15の大径タイヤなどのアイテムを備えており、アウトドアシーンや降雪地での活躍を予感させる。
ボディカラーは、3つの新色を含む全9色を設定。スモークブルーやカーキー、ベージュなどアウトドアを意識した色に加え、イエローやブルーなどのポップな色もあり、色でも遊び心を発揮する。
さらにメッキパーツや白色のアクセントなどを取り入れた3つの「スタイルパック」をメーカーオプションとして用意。まさに自分好みの1台に仕上げることができるのだ。
しかし、最大の驚きは、オプションと思われた大型ガラスルーフ「スカイフィールトップ」が全車標準となること。いやはやダイハツも思い切ったものである。
クロカン風味の変幻自在なキャビンも魅力
インテリアに目を移すと、外見同様にタフ風味。まるでクロカンのような質実剛健ぷりだ。黒を基調とした直線的なデザインで、センターコンソールのスイッチ類も、分かりやすく配置され、メカメカしい雰囲気を放つ。
しかし、そこにオレンジのアクセントが加えられることで、元気さや親しみやすさが演出されている。頭上のガラスルーフには、UV(紫外線)とIR(赤外線)カットガラスを採用。
もちろん、シェードも備えるが、積極的に開放感を満喫してもらおうという心意気なのだ。何処でも連れ出せる相棒らしく、長距離でも疲れにくいシートとするなど、軽の枠に収まらないアクティブなクルマに仕上げられている。
荷室にも変化する後席スペースは、荷室との段差を無くしたフルフラット化に加え、ドアパネルとの隙間も無くすことで、走行中も小物が落下しにくい構造としている。
また、リアシートバックとラゲッジボードは樹脂製とすることで、汚れや水滴も簡単に噴き上げることもカンタン。そのうえ、リアドアとラゲッジルームのパネルが同じデザインなので、2+ラゲッジ仕様も様になる点も嬉しいところだ。
走りはもちろん、安全安心も最新仕様に
走りの要となるボディは、軽スーパーハイトワゴン「タント」で初採用したDNGAの新プラットフォームに、小型SUV「ロッキー」にも採用する軽量高剛性ボディ「Dモノコック」を組み合わせたもので、しっかりとしたボディ剛性を確保。
走りも、幅広いシーンで活躍できるように、安定感ある走りと快適な乗り心地を両立。さらに高い静粛性も備えているという。
パワートレインは、直列3気筒DOHCの自然吸気仕様と、そのターボ仕様の2種類。トランスミッションは、全車CVTだが、ターボ車には、ローギア付きのD-CVTが奢られる。また駆動方式は、全車でFFと4WDの選択が可能となる。
先進の安全運転支援機能である「次世代スマートアシスト」は、なんと昨年の新型タントで進化を遂げたばかりにも関わらず、ステレオカメラを新型に。
これにより夜間の歩行者への対応や衝突被害軽減ブレーキの対応速度の引き上げなど検知性能が向上されたという。結果、路側逸脱警報、ふらつき警報、標識認識種類の拡大などの新機能も追加し、全17周類の機能を備える。
安全面では、ダイハツ初となる電動パーキングブレーキの搭載もトピックのひとつ。
シフト操作と連動したパーキングブレーキ作動とアクセル操作による解除が可能なほか、オートブレーキホールド機能と全車速追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の停車保持機能の追加も実現された。
価格はハスラーと真っ向勝負
グレード展開は、エントリーの「X」とスタンダードとなる「G」、ターボ車の「Gターボ」の3種類のみ。
「X」でも、フルLEDヘッドライト、自動格納式ドアミラー、スマートアシストなどの基本装備は充実しているが、ルーフレールや車内のオレンジアクセント、タコメーターなど一部の装備が簡素化されたシンプルな仕様だ。
一方、「G」と「Gターボ」は、ドレスアップにも抜かりはなく、LEDフォグランプや前席用アームレスト、シートヒーター(前席)など機能も向上されている。遊びを前面に打ち出したクルマだけに「G」シリーズがメインとなるに違いない。
やはり最大の関心事は、その価格だろう。タフトの価格帯は、135万3000円~173万2500円で、売れ線と目される「G(FF)」は、148万5000円となる。
ライバルと目されるハスラーの価格帯は、136万5100円~174万6800円なので、新参者の戦略的価格といえるだろう。もちろん、細かな装備差をみる必要はあるが、グラスルーフ付きとなるタフトは、価格面のインパクトは大きい。
ともあれ、価格はほぼ同等だが、キャラクターは微妙に異なる「タフト」と「ハスラー」。ひょっとすると、見事な棲み分けもあるかも!?
いずれせよ、面白い対戦カードであることは間違いなく、今後の両車の動向にも注目だ。
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June 10, 2020 at 11:31AM
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