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船舶燃料価格、底ばい脱せず 海運需要コロナで低迷 - 日本経済新聞

船舶燃料需要は細っている

船舶燃料需要は細っている

船舶燃料の価格が低迷している。国際海事機関(IMO)の規制に対応した「適合油」は2019年末に比べて5割安。従来の割安な油との価格差も縮んでいる。船会社には割高感が薄れて使いやすくなったものの、そもそも需要が急減している。新型コロナウイルスの影響でモノの流れが滞っているためだ。中国からの供給増もあり、船舶燃料が原油相場の重荷となる状態が続きそうだ。

IMOは環境対策として、1月から船舶燃料に含まれる硫黄分の上限を3.5%から0.5%に引き下げた。割安だった硫黄分の高い燃料は、硫黄を除去する設備「スクラバー」を持つ船しか使えなくなった。搭載には多額のコストがかかるため、多くの船会社が適合油に切り替えた。

米調査会社S&Pグローバル・プラッツによると、適合油のシンガポール市場の価格は1トン345ドル前後。需要が高まり価格が急上昇した19年末より5割安い。一方、かつての主力だった高硫黄燃料は同277ドル前後。価格差は1月初旬の353ドル前後から68ドル程度と8割縮小した。

シンガポールはアジア屈指の給油地点だが、燃料販売は減速傾向にある。シンガポール海事港湾庁(MPA)によると、IMO規制から半年たった6月の販売量は約383万トンと、8カ月ぶりの低水準だった。新型コロナの感染拡大でモノの流れが減ったためだ。「自動車やコンテナなどの荷動きが落ち込んでいる」(国内海運大手)

シンガポール市場では船舶燃料の需給動向の目安となる重油在庫も7月29日時点で約2360万バレルと、年初から2割積み上がった。国内の燃料商社も「燃料需要は弱いまま」と話す。

需要が低迷したところに中国からの供給増も重なり、相場の重しとなりそうだ。中国は18年ころから船舶燃料の規制対応が進み、低硫黄燃料をつくりやすい環境にある。実際、19年3月には中国石油化工(シノペック)は海南製油所から浙江省へ環境規制に適合した船舶燃料を出荷した。

新型コロナによる需要減で原油価格が急落した際、中国は大量に原油を輸入した。中国税関総署によると、6月の輸入量は過去最高の5318万トンに達する。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の竹原美佳氏は「多く輸入した原油が精製され、余剰品がアジア市場に流れている」と分析する。

船舶燃料の価格は原油相場の上昇につれて4月の底値から脱したが、依然として小幅な値動きにとどまる。各国で新型コロナが再拡大する中、モノの往来が以前の水準に戻るには時間がかかる。中国からの供給も増えており、石油需要の6%を占める船舶燃料が原油相場の重荷ともなる展開がしばらく続きそうだ。

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